10月9日(火)~11日(木)の2泊3日で、福祉教育委員会視察研修へ行ってきました。
視察内容の詳細<第2日目>を後ろに掲載いたしました。
マイフォト<福祉教育委員会視察研修‘07年10月>に視察の写真があります。
<第1日目の視察内容>・・・福島県喜多方市 教育委員会学校教育課
1.小学校農業教育特区の概要について
①小学校農業教育特区の学校教育への関わりについて
<第2日目の視察内容>・・・宮城県仙台市 仙台フィンランド健康福祉センター
1.仙台フィンランド健康福祉センター研究開発館
2.特別養護老人ホーム 「せんだんの館」
①日本のこれからの福祉・・・自立した高齢者の生活の質の向上
高齢者介護家族の安心と負担軽減
<第3日目の視察内容>・・・栃木県大田原市湯津上庁舎 教育委員会
1.発達障害早期総合支援モデル事業について
①就学に向けた発達障害の早期発見、早期支援対策の構築
2.教科書採択について
①子どもたちに最も良い(相応しい)教科書の採用・・・人としての土台をつくる。
福祉教育委員会 視察研修 ≪第2日目≫
(報告者 : 藤森康友)
健康福祉政策(宮城県)
1. 仙台フィンランド健康福祉センター 研究開発館
2. 特別養護老人ホーム「せんだんの館」
1. 仙台フィンランド健康福祉センター 研究開発館
①プロジェクトの概要
仙台フィンランド健康福祉センタープロジェクトは、フィンランドの国家プロジェクトと仙台の国際共同プロジェクトです。仙台市青葉区水の森に平成17年3月にオープンした仙台フィンランド健康福祉センターを拠点に、高齢者の自立した生活を実現するために、フィンランドと日本の企業・大学が行うサービス・機器の開発を進めています。
◎ プロジェクトの対象となる人々
・ 自立支援サービス・・・介護福祉
生活支援サービス
健康増進サービス
中年層(40~55才) ・・・ メタボリック対策
高齢者予備軍(55~65才)
元気高齢者
要介護予備軍
在宅要介護者
老人ホーム入居要介護者
②研究開発館(R&D施設)の概要
研究開発館には、フィンランド企業や地域の在仙企業等が入居し、フィンランド型高齢者福祉のノウハウを活用し、福祉機器・サービスの開発を進められています。製品開発の現場ではユーザーの真のニーズから乖離し、とかく技術の高度化のみを追求しがちだと言われています。しかし本センターは研究開発館と高齢者の生活の場が隣接しているため、高齢者やその家族、福祉関係者などの声を開発に反映させ易く、より高齢者のニーズにあった競争力のある製品を生むことができます。
名 称:仙台フィンランド健康福祉センター研究開発館
所在地:〒981-0962 仙台市青葉区水の森3丁目24-1
施設構造:軽量鉄骨造2階建 延べ床面積953.98㎡
設 備:(プロジェクトルームを1室として使用する場合の例)
1)電気容量:コンセント回路 60VA/㎡
2)電気設備:OA用コンセント5ヶ所(床下3、壁2)
3)電話設備:10回線まで引き込み可能
4)空調設備:ガスヒートポンプ(冷暖房フリー)
5)その他の室内設備:
・フリーアクセスのOAフロア(床加重400kg)
・オフィス机・椅子(4セット)、打ち合わせ用テーブル(1台)
・椅子(4脚)、ファイルキャビネット(11)、簡易間仕切り、コート掛け
・カード型電子錠(24時間入退室可能)
・光ファイバーケーブル引き込み可能
・ケーブルテレビ引き込み可能
6)共用設備(他入居者との共用になります)
・エレベーター(11人乗り)
・プリペイドカード式カラー
・白黒コピー機(プリンター機能付)
・湯沸室
・仮眠室
・会議室(机・椅子スクール形式で51席 入居者は無料)
・交流スペース(共用テレビあり)
・建物の共用部分はバリアフリー対応
◎ 事業経費
・研究開発館 建設費 2.6億円(設備、什器含む)
経済産業省補助 8千万円
仙台市補助 1.8億円
・年間予算(市、事業団計)
歳出 約5.5千万円(人件費別) 歳入 約 1千万円(賃貸料など)
③ビジネス支援の内容
研究開発館には仙台側・フィンランド側双方のビジネス開発ディレクターが常駐し、幅広く高齢者福祉に関するサービス・機器の研究開発、事業開発を行う企業、大学などの研究機関の方々に対し以下のような支援を行っています。
特に文化や言葉が異なる外国企業とのコラボレーションは決して容易ではないため、ミーティングにおけるコミュニケーション支援、英文での契約締結・輸出入のアドバイスなど幅広く親身になって支援しています。
・マッチング支援(企業間の業務提携、産学連携)
・研究開発支援
・マーケティング支援
また,仙台地域の産業支援機関,福祉関連団体,学術機関,行政機関などで「仙台フィンランド健康福祉センター推進協議会」を結成しており,このプロジェクトをサポートしています。
④プロジェクトに参加するメリット
◎ 高齢者のニーズを的確に把握できる
◎ 日本・フィンランドの企業・大学と様々な視点で共同研究開発ができる
◎ 注目を集めるプロジェクトなので企業にとってもブランド効果が高い
◎ 国や自治体が支援しているプロジェクトなので企業向け支援が受けやすい
◎ フィンランドを通じてEUをマーケットとすることができる
ETC
このプロジェクトのなかでは、商品開発プロジェクト、サービス開発プロジェクト、基礎研究プロジェクトなど様々なプロジェクトが立ち上がっています。このような先行プロジェクトへの参加や新たなプロジェクトの立ち上げが可能となります。産業支援のための仙台市の外郭団体である仙台市産業振興事業団がフィンランド側関係機関とともにサポートをしています。
⑤産業クラスター計画について
「東北地域国際健康福祉産業クラスター創出事業」は、「TOHOKUものづくりコリドー」の事業の一つであり、東北地域における健康福祉産業クラスター形成を目指し、仙台フィンランド健康福祉センターを拠点として、広く東北地域の企業・大学の活動を支援するものです。福祉機器先進国フィンランド等との共同研究開発などを通して、国際市場に対応した商品開発・販路開拓等を支援しています。
◎ 産業クラスターとは?
地域において、大学等が産学官連携、産産・異業種連携のネットワークを形成し、知的資源等の相互活用によって、イノベーションやベンチャー企業が次々と生み出されることです。
◎ 産業クラスター計画とは?
産業クラスターの形成を目指すため、平成13年度から経済産業省が進めている計画であり、現在、全国に17のプロジェクトがあります。
◎ ネットワーク形成事業
ビジネス研究会などの新規ビジネス開発を目的とする勉強会を開催し、複数企業等(広域仙台地域及び東北地域)による情報交換を行う場を提供するとともに、専門家による講演会の実施や助言等を行なっています。また、クラスターマネージャーを設置し、東北地域全般の企業等を対象に広域ネットワークの形成、マーケティング、ビジネスマッチング等も行なっています。
⑥フィンランドの福祉について
フィンランドの法律はフィンランドに在住するすべての人、すなわち、子供から、病人、失業者、高齢者といった生活弱者でも平等な生活水準を維持し生活できるような制度を確立しています。フィンランドは大変地方分権が進んでおり地方自治体は他の国では国家が担っている、基本的な社会保障サービスを行う義務を持っています。これらのサービスは税によって支えられています。
保健医療も平等に提供することを目標とし、そのサービスは基礎保健(一次ケア)と専門医療の2つに大別され、地方自治体が中心となって、1次ケアを地域医療センターや診療所で、専門医療を病院で行っています。
高齢者福祉に関しては、日本よりも早く高齢化社会(65歳以上の割合が人口の7%以上を占める)を迎えたこともあり、経済的自立、尊厳を重んじた自己決定権、社会性の維持という目標のもと、様々な対策が早くからなされてきました。
年金は、基礎年金としての国民年金と、日本の厚生年金のように勤務経験(労働所得)に応じて受給することができる労働年金があります。国民年金の受給開始年齢は、男女とも通常65歳です。これに加え、高齢者については、国民年金の補助として、住宅手当と介護手当を受給することができます。また、住宅改造サー ビスの提供や高齢者居住型のサービス住宅の整備も進められています。
日常生活に援助が必要になった高齢者については、在宅ケアと施設ケアの各種サービスが準備されています。フィンランドでは、住み慣れた地域で暮らすことが、最も良いという考え方が一般化していることや、施設や病院への入所を遅らせようとする考え方が近年は主流になっており、これが、予防的福祉というフィンランドの高齢者施策の特徴を生み出しています。

2. 特別養護老人ホーム「せんだんの館」 Terve (テルベ)
仙台フィンランド健康福祉センター内の特別養護老人ホームは、東北福祉大学関連の社会福祉法人東北福祉会が設置し、フィンランド型福祉の予防を中心とするコンセプトを取り入れながら運営されています。



①施設の特徴
◎ プライバシー重視等による高齢者の尊厳の確保
入居者スペースの完全個室化、車椅子利用者でも利用しやすい機能性の高いトイレの設置によりプライバシーへ配慮しています。また、それぞれの高齢者の生活
のリズムを尊重した介護を実施するとともに、ミニキッチンやサンルームを利用することで入所者が生活を楽しめる明るい雰囲気作りが配慮されています。



◎ リハビリ等による高齢者の自立支援、機能低下の防止
ADL(日常生活動作)レベルの改善・維持を目的とするリハビリテーション機器・流水プールを設置し、施設を利用されている方や地域の要介護前の高齢者の皆様に身体機能の低下を防止するための運動などを提案し、高齢者の自立支援を一緒に考えていきます。

◎ 社会性の確保(コミュニティの役割)
本施設は入所者と地域の交流を通して入所者の社会性を確保することを目指しています。周辺地域が見渡しやすいよう窓を多く設けるとともに、車椅子利用者がベランダに出やすいようにし、社会とのつながりを意識しやすいよう工夫されています。
また、施設内の交流ホールやカフェテリアなどを地域に開放し、地域の高齢者だけでなく様々な年齢層の方が出入りしやすい環境を整備することで高齢者と社会の交流を目指しています。
②7つの特色・・・
入居者の自立をケアの中心に地域に開かれたフィンランド型福祉施設
1)コミュニティセンターとしての機能
2)介護予防機能としてのデイサービス
3)機能維持を図るユニットケア
4)その人らしく生活できる個室
5)四季が感ぜられる自然な空間
6)サービスプランニング
7)地域共生のための高齢者雇用


以上
(参考:仙台フィンランド健康福祉センターHP、パンフレット等)